個人再生手続というのは、民事再生と呼ばれる裁判所を介した債務整理の方法で、民事再生には企業向けと個人向けがあることから、個人向けの民事再生を個人再生と称して区別しています。
個人再生では、多重債務などによって借金の支払いが困難になった場合に、裁判所に申し立てることで借金を減額することを目的としています。
具体的には、減額された借金について分割で返済していく計画案(再生計画案)を作成し、その計画案を債権者に認めてもらうことで実際に減額され、多重債務から抜け出すセーフティネットとして機能する手続きです。
この個人再生においては、家を手放したくない人のために、住宅ローンだけを除外して借金を整理できる制度もあり、住宅資金特別条項といいます。
住宅資金特別条項を利用すると、再生計画案による他の借金の支払いのために住宅ローンの返済を一時的に減額したり、滞納分を別途分割払いにしてもらうなど、金融機関と話し合って負担が軽減される可能性もありますが、住宅ローンの残債そのものは減額することはできません。
住宅資金特別条項を利用するためには条件があり、大まかには次の2つです。
・自分名義の自宅に対しての住宅ローンであること
・住宅ローンの担保として自宅に抵当権が設定されており、他の抵当権が設定されていないこと
この2つの条件は、ほとんどの人の住宅ローンにおいて適用となるため、住宅資金特別条項によって家を残した債務整理というのが可能になります。